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2007年3月17日 (土)

日本語がわからない?

『慰安婦強制連行はなかった-河野談話の放置は許されない』(大師堂経慰、展転社1999)を読んだ。いきなり比較的最初のほうで、河野談話の誤読をする。

---河野洋平官房長官談話では、慰安婦の募集について「軍の要請を受けた業者が主としてこれにあたったが、その場合も甘言、強圧による等本人達の意思に反して集められた事例が数多くあり、さらに官憲等が直接加担したこともあった」、と慰安婦募集に強制連行の事例が多数あった、と説明している。---(15ページ)

 談話は、数多いのは主に「業者」の「甘言、強圧」など「本人達の意思に反して集められた事例」である。強制連行が数多くあったなどとはいっていないはずだが? 慰安婦否定派が強制連行という場合、たいてい官憲が無理やり連れて行くことを指すことが多い。その目で見るなら、間違っても河野談話が強行連行が数多くあったといっていると確定できないはずだ。それとも業者の「強圧」を強制連行といっているのだろうか?  河野談話からはっきり読みとれるのは、「本人達の意思に反して集められた事例」が数多くあった、ということだと思うが。

 ----また、朝鮮出身の慰安婦についてはその表現をさらに強め、「その募集、移送、管理等も甘言、強圧による等総じて本人達の意思に反して行われた」と特に「総じて」という言葉を付け加えて、韓国政府が強く主張した「全員強制連行」を実質的に認めたものにしようとする跡の窺える表現になっている。----(同上)

 「総じて」というのは、本人達の意思に反していた、という点である。全部が全部「強制連行」などといっていない。なぜ突然「全員強制連行」を実質認めたものにしようとしているように見えるのだ? 

 ちなみにこの本、本文は110ページしかなく、後は延々と新聞報道や談話、教科書の記述などの「関連資料」で埋められている。全体が278ページなのに、本文が110ページで終わってしまうのには拍子抜け。もうちょっと「偉大」な論述の集大成を期待していたのだが。先日買ってきたもう一冊の否定本「日本人なら知っておきたい『慰安婦問題』のからくり」(阿部晃、夏目書房2005)に期待することにしよう。

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コメント

1.「河野談話」→「本人達の意思に反して集められた」
2.「本人達の意思に反して集められた」→「強制連行」
3.「強制連行」→「日本軍による組織的な武力による慰安婦連行」
4.「日本軍による組織的な武力による慰安婦連行」→「そんな証拠はない」
5.「そんな証拠はない」→「河野談話は間違い」

どうもこのロジックが否定論者の典型のような気がします。
「強制連行」というキーワードを挟んですりかえて「4」の証明を迫る、という感じで。

投稿: scopedog | 2007年3月18日 (日) 01時40分

scopedogさん。ご指摘のとおりの気がします。ロジックを整理していただいてありがとうございます。ちょっとすっきりしました(頭の中が)。どうも「強制連行」って言葉を何でいきなり挟み込んでくるのか、すごく違和感があったんですよね。
つまり、今回のエントリで紹介した部分では、わざと「武力による強制連行」「官憲による強制連行」などの誤解の余地のない言葉を使わずに論理を展開して、「全員強制連行」説に河野談話がおもねているという結論へ無理やり持っていこうとしているように感じてはいたのです・・・。
なるほど、「強制連行」って言葉はそういう風に使っているのかもしれませんね(苦笑い)。僕もこれから気をつけます。

投稿: anemonefish | 2007年3月18日 (日) 09時50分

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