「『慰安婦問題』のからくり」感想その2
「日本人なら知っておきたい『慰安婦問題』のからくり」感想2回目。1回目は下記URL参照。
http://anemonefish.cocolog-nifty.com/osakana/2007/04/post_79f1.html
この本は簡単にいうとよく否定派が持ち出す議論=「慰安婦問題とは、ありもしない強制連行を吉田清治氏などがいいだし、朝日などが騒いだおかげで、あたかも事実のように広まった問題である。ところが強制連行の証拠が見つからなくなったとたん、『あった』派の人たちは『慰安婦問題は強制連行問題だったのだだけではない』などと言い出した。話をそらすな』」という類の議論にそった、お約束の論旨展開をおこなっています。
---慰安婦問題、つまり「日本の国家権力による、朝鮮における強制連行での慰安婦調達」という話は韓国から沸きあがってきたものではなくて、吉田清治氏の著作にもとづいて、日本発で韓国側にもたらされたものだったのです---(74ページ)
慰安婦問題が「日本の国家権力による、朝鮮における強制連行での慰安婦調達」に誤変換されていますね。慰安婦問題などという言葉を使わず、「慰安婦強制連行捏造問題」という名称でも採用したらいかがでしょうか。
---「日本追及派の人たちというのは、もともと『日本の官憲が朝鮮の女性たちを人狩りのように強制連行していって、慰安婦の調達にあてていた』、と思い込んで日本追及運動にのめりこんでいったわけで、ところがよく調べてみると、日本軍慰安婦の実態など、戦地に出張営業に押しかけていった売春業者おかかえの単なる売春婦でしかなかったわけですから、日本追及運動に加担した人たちですが、本来だったら”ギブアップ”するしかないのです」---(195ページ)
何でギブアップすんねん。慰安婦問題は慰安婦問題だって。「慰安婦強制連行捏造問題」ではありません。慰安婦問題って言葉使うなよ、紛らわしい。
---それから、(※おさかな注=河野談話の)「慰安所における生活は強制的な状況での痛ましいものだった」という部分ですが、”慰安婦”といったところで、その本質は単なる売春婦に過ぎないわけです。だから、慰安婦の女性たちの境遇にしたところで、売春業に身をおくようになった女性たちの境遇が一般的にいってそうであるように、親に身売りされたとか、多額の債務を背負わされている等「強制的な状況のもとでの痛ましいもの」に決まっています。/慰安婦の女性たちの境遇が不幸なものであったとしても、それは売春業に従事しなければならなかったということが不幸なのであって、別に日本軍の慰安所で働くことになったから不幸なことになったのではありません---(185ページ)
人権感覚が皆無なのにも驚きますが、論点のすり替えもおこなっています。河野談話は「慰安所における生活」を問題にしているのに、いつの間にか「親に身売りされたとか、多額の債務を背負わされている等」という話にすり替えてしまいます。せこい!
結局、著者が慰安婦問題を強制連行の問題だけにしぼるのは、慰安所での生活や性サービスの強要や強姦、健康被害などに焦点を当てないための詐術なんだな。だいたい、連行という「過程」に問題がなくても、「就職先」で問題が起きることだってある。「9時~5時で週休2日だといわれて就職したのに毎日夜遅く、休日出勤もしろといわれる。話が違う」って話がいまの日本でザラにあることを考えても、それぐらいわかるだろう?
そもそも、連行の過程で「だまされた」例も報告されているのに、日本の権力が力で連行したのでなければ問題ないという議論自体に、重大な論理の飛躍がある。そのあたりのことについては次回。
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