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2008年6月21日 (土)

変化の可能性を示した国会

国会(第169回)が閉会した。国会が終わって、内閣改造が政局の焦点になるといっているマスコミがいるけれど、とりあえずいま大事なのは、今国会が国民にとってどういう国会だったのか、その意味を問い直して総括し、胸に刻むことではないだろうか。

いまの国会は参議院と衆議院が与野党逆転している「ねじれ国会」だといわれている。2007年7月の参議院選挙では、国民生活が第一だといった民主党が国民の期待を集めて圧勝した。このことが、後の政局に大きな影響を及ぼした。

本来、民主党は消費税増税をねらっている。小沢代表も、もともと消費税増税論者だ。マニフェストにも2005年の衆議院選挙で扶養者控除、配偶者控除などをなくせと主張していた。99年の派遣労働の原則自由化にも賛成した。本質的には、「対決」はかっこうだけで、国民生活の破壊をすすめる政党である。

しかしながら民主党へ寄せられた国民の期待は、政局を動かすきっかけとなった。とりわけ、後期高齢者医療制度での与党の一部手直し、同制度の廃止法案の野党4党共同提出などの動きは、参院選の自民党の大敗北の影響を色濃く受けたものだと僕は思う。自民党内部からさえ後期高齢者医療制度には反対する声が一部から出るほどだ。

国民の願いが、政治を動かすきっかけとなった。そして運動と世論が政治を変える可能性を示した。それが今国会の重要な点ではなかっただろうか。

けれども油断はできない。民主党は、財界にも国民にもよい顔をしようとする“風見鶏”だからだ。大手マスコミは“風見鶏”と自民党を「二大政党」だといい、対決しているように描く。だが、地方議会を見るがいい。他の野党も地方議会ではしばしば自民党と仲良く与党の座におさまっているではないか。彼らは本質的にはペテン師だったり、国民の期待を寄せるにはあぶなっかしく、頼りない存在なのだ。

では、どうするのか。やはりひとつは、公約をきちんと守り、国民の利益のために行動する政党はどこなのか見極めて投票すること。同時に、公約を守らない政党への批判を強め、投票しないということをとることだろう。第2は、国民の世論と運動を弱めず、強めることだろうか。

第1の点についていうと、日本の政党の大半は、よく「物忘れ」を起こす。これが政治不信の大きな種になっている。「消えた年金」問題では、2007年の参議院選挙で“年金記録を全部照合する”と自民党は豪語したのに、福田首相は「そんなこといったかな」と後にすっとぼけた。野党に目を転じても、派遣労働問題に理解をしめしているように振る舞う野党がいるが、大半の野党は、派遣労働の業種原則自由化に賛成した。そのこと自体が今日の過酷な実態を生み出した主要因なのだから、まるで一貫していない。

逆に日本の政治は、資本家や資産家などに都合がよいが、国民の反発をかうと思ったものは選挙では公約せず、選挙後に国会で持ち出して法律にしたり、法律を変えることも得意だ。89年の消費税導入、97年の5%への増税はその典型だ。このような、約束もしていないことを勝手にやり、約束したことを逆に反故にする政治家を、国民は受け入れず、国会議員の座からけ落とすべきだ。

第2の点についていうと、後期高齢者医療制度を中止・廃止しろといちばん最初に主張したのは共産党だったと思う(昨年10月)。しかしその共産党も、もともとは後期高齢者医療制度の抜本的改善を唱えていた。だが、国民世論は違った。制度そのものが許せない、という声が大きくなっていった。世論と運動におされる形で制度の廃止を共産党がいったのが前回の国会(第168回)だった。そして民主党、社民党、国民新党が廃止をいい、廃止法案を共同提出するところまでいったのが今国会(第169回)だった。議席の数も重要だが、世論と運動が政局を動かす力を持つことがあるのだ。

だが、その廃止法案は、野党で共同提案したはずなのに、民主党をはじめ共産党以外の野党が衆議院での審議をボイコットした。廃止を本気でやる気がないからだろうか? それとも衆議院では与党の議席が多く、劣勢だからだろうか? 僕は劣勢だとしても、審議はやるべきだと思う。与党は、制度を守るためにさまざま詭弁を弄している。だからこそいま、もう一押しふた押しの論戦が必要だ。制度の考え方、根本が間違っていることを国民の目の前にいっそう明らかにすべきだ。ボイコットするのは、与党をホッとさせ、手助けする行為ではないのか。

政府は、後期高齢者医療制度の考え方そのものは間違っていないといっている。だが、僕がこの間お年寄りに話を聞くと、「何よりも許せないのは、なぜ75歳で区切るのかということそのものだ」という声が多いのだ。政府は制度の説明が足りない。制度そのものは間違っていないというが、その制度、考え方自体への批判が根強いのだ。

国会における議席、政党分布も大事だが、国民の世論と運動もまた、国会を動かすのだ。国民こそが政治を動かす。その可能性を今後もより大きくするために、僕は微力ながら、今後も力を尽くす。

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