イラク報告会の報告です②
イラク報告会のつづき。前回は覚醒委員会のことを述べたが、話はそれだけではない。
一回目は、下記URL参照。
http://anemonefish.cocolog-nifty.com/osakana/2009/05/post-7d9a.html
僕が話を聞いて、驚いたエピソードがある。それは、高遠さんがイラクでボランティア活動をする際の「相棒」、カーシムさんの兄は米軍によって「殺された」のだ。
高遠さんいわく、カーシムさんの兄は結婚していて、子どもがいた。だが、交通事故に遭い、出血した。助手席にいた子どもは偶然にも窓から外に放り出されて助かったが、兄は重傷を負った。すぐに周囲の人たちがかけつけて救出し、親戚に連絡をとった。親戚が駆けつけて、車で病院に向かった。ところが当時、病院の近くには、多くのところで米兵の検問があった。米兵は、何時間も検問を通さなかった。時々米兵は脈を測って(死んでいないかどうか確認しているのだ!)、米兵が通ってもよいといったときには、すでに兄は息絶えた時だった。
こんなひどいことってあるだろうか? 病院ぐらいさっさと通せよ。
だが、そんなことはイラクでは日常だった。この日、3人が語ったのは、次のような実情だった。
▽ある産科病院では、米兵の検問があったために病院へたどり着けず、長時間待たされてようやく通されたときには、途中の道で子どもが産まれてしまう、などのこともあった。
(なお、産まれてくる子どもの3%ぐらいが奇形。劣化ウラン弾の影響?)
▽あるジャーナリストは、自宅アパートを米軍に攻撃された。奇跡的に助かったがアパートはずたずたになり、壁には巨大な穴が空いた。
▽アンバール州のカイムという街では、砂漠にテントを張って結婚式をしていたが、米軍が攻撃を加え、虐殺をおこなった。
▽通りにでた親子連れが米軍にねらわれ、親が殺された。子どもはまだ小さかったが、他の住民も子どもを助けようとすれば自分が狙われる。仕方ないので、住民はロープでその幼い子どもをひっかけ、救けた。
また、これは「フライデー」(2009.5.29号)にも紹介されているが、米軍はラマディで大量虐殺をおこない、その墓地が街中にいくつもあるそうだ。3人が今回訪れたあるひとつの墓地(ラマディ)だけでも、「数えたら2000人ぐらいいた」(森住さん)という。その中には米軍の大量虐殺のため、誰か誰かわからず、名無しのものも多かったそうだ。
本来は、こうしたお墓は郊外につくるのだそうだ。だが、なぜ街中にあるのか? しかもそこはもともと公園だったという。
理由は簡単で、米軍が街を封鎖した上で、ラマディで虐殺をおこなったからだ。2006年には「インクスポット作戦」なるものがおこなわれた(一点を米軍が占拠し、そこからインクが染みいるように攻撃、制圧していくので、こういう名前がついているのだそうだ)。住民は街の外に出られないため、空き地を使って墓地をつくった。だから公園が墓地になってしまったのだ。
報告を聞いて、住民を虐殺すること、殺すことのどこが、世界の平和のためなんだ? こんな戦争を支持する日本政府も、いったい何様なんだ? との思いがあらためてこみ上げた。
(つづく)
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コメント
報告UPお疲れ様です。③まで読みましたが、こちらにコメントします。
イラク住民の犠牲の話と別に、ご存知かもしれませんが、米軍兵士の話もあります。
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2009/05/post-f58a.html
私は両方読んで、何とも言えない気持になりました・・・。
>どこが、世界の平和のためなんだ?
同感です。現地にいる人はイラク人も米軍兵士も被害者のように思います。
投稿: scopedog | 2009年6月 4日 (木) 02時11分
つたない報告でしたが、お読みいただき、ありがとうございます。
>現地にいる人はイラク人も米軍兵士も被害者のように思います。
そうですね。もちろん、個々の米兵がイラク戦争をどのようにとらえているのかにもよりますが。
ご存じかもしれませんが、アメリカには反戦イラク帰還兵のグループがありますよね。
http://www.news.janjan.jp/culture/0902/0902268330/1.php
僕はこのエントリ(↑)とは別に、在米のジャーナリスト経由で「ウィンターソルジャー」のことをききましたが、「軍の命令で一斉攻撃をしかけたが、後に残ったのは女性や子どもをふくむ市民の死体ばかりで、戦闘員の武器らしいモノは見あたらなかった。後で忘れろ、これは戦争なんだといわれた」などの証言を帰還米兵たちがしたそうです。
僕はscopedogさんにご紹介いただいたエントリは初めて見たのですが(汗)、ウィンターソルジャーで証言されているような体験をしている米兵は数多くいるはずですし、彼らも被害者であるというのは、その通りだと思います。
貧困を背景として、「軍へいけば大学進学もできる、夢がかなう」などといって、軍がリクルートもしているそうですし、まったく、イラク戦争の現実というのは、きけばきくほど気が遠くなります。
投稿: おさかな | 2009年6月 4日 (木) 12時59分