近代日本の戦争

2009年6月23日 (火)

シベリア抑留…労働力として差し出された元日本兵たち

シベリア抑留国賠訴訟の原告団の方にお話をうかがう機会があった。

アジア・太平洋戦争後、元日本兵らがソ連軍に連行され、労働力として酷使された「シベリア抑留」では、約60万人が重労働を強制され、6万人以上が亡くなったといわれる。その抑留体験者らが、京都地裁に提訴し、国を訴えて裁判をたたかっているのだ。その結審が6月17日にあった。判決は10月に出る予定だ。

抑留体験者らが、日本政府を訴えるのはなぜか? その理由は、“シベリア抑留は、当時の日本政府や軍部の「棄民」政策の結果だ”というものだ。「国体護持」=つまり天皇制を守るために、当時の大日本帝国の政府・軍部がソ連と取り引きして、元日本兵らを労働力として供与することを申し出たのだと。
 
「棄民」政策をしめす文書の一端は、すでに一九九三年八月の共同通信社の配信記事として報道されている。この記事では、一九四五年八月末、「大本営朝枝参謀」が作成した「関東軍方面停戦状況に関する実視報告」(一九四五年八月二六日)のことが報じられているが、この文書に、次のように書いてあるという(ひらがなは、原文ではカタカナです)。

 「内地に於ける食糧事情及思想経済事情より考うるに規定方針通大陸方面に於いては在留邦人及武装解除後の軍人はソ連の庇護下に満鮮に土着せしめて生活を営む如くソ連側に依頼するを可とす」
 「満鮮に土着する者は日本国籍を離るるも支障なきとす」

 日本国籍を失っても差し障りないので、兵士をどのように処遇するかは任せますよ現地で生活するように処遇をお願いしますよ、と趣旨のことが書かれている。普通に考えて日本国籍じゃなくなってもいいですよ、とはずいぶん勝手だよね。マジで。

 また、この記事とは別に、次のような公文書もある。

  「次は軍人の処置であります。之につきましても当然貴軍にてご計画あることと存じまするが、元々満州に生業を有し家庭を有するもの並に希望者は満州にとどまって貴軍の経営に協力せしめ、其他は逐次内地に帰還せしめられ度いと存じます。右期間迄の間に於きましては、極力貴軍の経営に協力する如く御使ひ願ひ度いと思います」※関東軍総司令部による「ワシレフスキー元帥に対する報告」(一九四五年八月二九日)

 上記の文書を見て不思議なのは、実際に〝「希望者」がシベリア抑留に供せられた〟ことはあったのかということだ。僕が今回聞いた証言、並びに、いただいた証言(書面)では、整然と日本軍自身によって武装解除がされ、末端の兵士たちは整然と行進し、方角もわからぬまま連れて行かれた先が収容所だったとか、あるいは「帰国だ」と聞かされて船に乗せられたが、ついた先が収容所だった、などのような体験が語られているだけだ。

 シベリア抑留が「日本だけが悪い」わけではないのはもちろんだが、しかし日本政府は犯罪的な役割をはたしたし、兵士を見捨てたことは疑いようのない事実だといえるだろう。シベリア抑留は“ソ連が勝利したことをいいことに、日本兵を労働力として使い回した”だけの問題ではなく、日本軍中枢が元日本兵士らを見捨てた棄民・棄兵の結果でもある。

 また、「居留民保護」が、関東軍派遣・駐留の口実であったが、最後の最後に軍部高官らは兵士や居留民を放り出して逃げ去ったのだ、とある原告は指摘していた。

 ところで、こうした棄民政策は、現代にもつながる問題である。国民を見捨て、生活を困難に貶めながら、国家は何も救済しないし補償しない。こうした政治の例は、たとえば後期高齢者医療制度、派遣切り、生活保護の「水際」作戦や打ち切り、国保証の取り上げと財産差し押さえなど、枚挙にいとまがない。原告団のお一人は、こうした棄民政策の被害者らがみんなで手をとりあって運動することが必要だという趣旨のことをおっしゃっていた。もちろん、被害者のみならず、潜在的な被害者(被害者にいつなるかもわからない)全国民が手をつなぐべきだという意味で、僕もまったくその通りだと思う。

 まあ、ですから…シベリア抑留は日本政府にも重い責任のある問題なのですよ、ということを最近知りました。日本政府の暗部は奥深い。暗部を克服してこそ、あるべき国の姿というのは見えてくるような気がします。盲目的な〝信仰〟は必要ないよね。棄民をして恥じない日本政府の体質こそ克服したい。その克服には、多くの国民の力(行動をともなう意思)が必要なんだが。

 なお、シベリア抑留には一般住民、朝鮮国籍の軍属なども含まれていたようでございます…。

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2008年3月30日 (日)

歴史修正主義とは

この際なので、歴史修正主義とは何かという見解を、自分で定義づけておきたい。まだ自信がややないので、掲示板

http://norevisionism.g.hatena.ne.jp/bbs/2/

には書き込まないけど。もう少しわかりやすく、こなれた文章にできたらな、と思いますけど。
さて、「歴史修正主義」の定義について私見を述べます。

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歴史修正主義

 歴史の叙述を書き直す語り直すこと自体は問題ではない。歴史学の発展や価値観の変化などにより、歴史の叙述が「修正」されることは、これまでもおこなわれてきた。最近では、異なる国同士が共同で歴史教科書をつくる試み(日本・中国・韓国間や実際につくった国(独仏)ある

 だが、今日の日本で「歴史修正主義と呼ばれるのは、歴史の書き直し語り直しを学問上・論理上許されないやりかたでおこなう考え方を指すことがほとんどである歴史修正主義は、歴史学上すでに軍国主義、植民地支配、全体主義、人種民族差別、性差別などが背景にあるとして批判的な認識が定説となっている事件・問題・時代などに対し、下記のような言動をおこなう(例)。

 ▽否定(あったことをなかったと強弁する)
 ▽美化(批判されていた事柄を、良いことのようにいう)
 ▽改ざん・捏造(事実とは違うことを述べたり、エピソードをつくりあげたり、場合によっては史料を改ざんする)

 ▽曲解史料・証言などから本来読み取れるはずの解釈とは別の解釈をする

 ▽無視(歴史上重大な事項であってもテーマとしてとりあげないことで、人々の共通認識となることを阻む。または言及しても重大な側面をとりあげない

 ▽トリミング(史料・証言・文献などで、自らの都合のよい部分だけを取り出して、都合の悪い部分を取り上げず、自らの歴史観・主張のささえにする)

 ▽容認(「仕方ないことだった」「当時の価値観では悪いことでない」などと許す)

 とりわけ、ナチスドイツにおけるホロコーストや、日本軍が起こした南京事件など、近代以降の戦争犯罪、時代認識などが問題にされる場合が多い。同時に、近代以降の歴史を書き直す語りなおす)ために、それ以前の歴史も歪曲することもしばしばある(昔から天皇は日本国の象徴だった、天皇は神の子孫、など)。

 なお「歴史修正主義」が批判的な言葉として用いられるようになったのは、ホロコースト否定論者が自ら「歴史修正主義者」と名乗ったことが大きい。日本においても学問上・論理上許されないやり方で歴史の書き直し語りなおしをおこなう論者等が「歴史修正主義者」だと批判の意味をこめて呼ばれるのは、ホロコースト否定論者を彷彿とさせるためでもある


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やや記述が整理されていないし、詳述されるべき点や、逆にややこしい点もあるように思っているので、「歴史修正主義」についてもう少し勉強します。自分の無知をさらすようで恐縮なのだけど、

---今日の日本で「歴史修正主義と呼ばれるのは、歴史の書き直し語り直しを学問上・論理上許されないやりかたでおこなう考え方を指すことがほとんどである。----

 と書いているのは、批判的でない場合に使う例があるのか、ちょっとわからないからです(苦笑)。だから勉強するのです・・・。

 

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2008年3月29日 (土)

なんじゃそりゃ。

先日のエントリ

http://anemonefish.cocolog-nifty.com/osakana/2008/03/post_64fb.html

で紹介した、掲示板「歴史修正主義の定義について」の議論に関連して。

lovelovedogさんの掲示板書き込み休止宣言です。

http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20080329/uekara

http://s01.megalodon.jp/2008-0329-0810-51/d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20080329/uekara(魚拓)

理由は、上から目線で人にいろいろいわれたので、「苦手」だといっています・・・。文字通り受け取るなら、僕は理由にはなっていないみたいです。いまのところ。

ところで、僕は「歴史修正主義」という言葉の定義(意味)を聞きましたが、lovelovedogさんは下記のように答えたことはすでに紹介しました。

http://norevisionism.g.hatena.ne.jp/bbs/2/51

http://s02.megalodon.jp/2008-0329-0832-21/norevisionism.g.hatena.ne.jp/bbs/2/51(魚拓)

意味なんてないんじゃないですかね。単なる悪口語・罵倒語ですから。「おまえの母ちゃんでべそ」「マザーファッカー」みたいなもので。 

「おまえの母のヘソは出っ張っている」という程度の意味があるとしたら「歴史について少し変わったことを言ってみている人」でしょうか。

まあ、この程度の返答ではまったく不満なので、下記のように質問しました。

http://norevisionism.g.hatena.ne.jp/bbs/2/62

第一に。「おまえの母ちゃんでべそ」は意味がないのですよね? そうであれば「お前の…」の意味を少しでも解釈して「歴史修正主義」という言葉に適用しようとする試みはおやめください。意味がないものはあくまで意味がないのですから、お互いに無関係でしょう。なぜ関連づけを試みたのですか?

第二に。lovelovedogさんは、「歴史修正主義」という言葉について、使い方にはいくらか私見がおありですが、定義(意味)は「ない」言葉だと思っていることはわかりました。そのように確認させていただきます。

第三に。「歴史修正主義」という言葉の定義、意味はこれから議論していきたいと思いますが、そもそもD_Amonさんが本掲示板の2ならび5で定義や使われるようになった経緯にかかわるコメントをすでにされています。

http://norevisionism.g.hatena.ne.jp/bbs/2/2

http://norevisionism.g.hatena.ne.jp/bbs/2/5

とくに2は、もう少し詳述されていくことが必要かと思いますが、定義(意味)のひとつです。それでもなぜlovelovedogさんは「意味がない」と言い続けるのか、理由をお聞かせ下さい。

こちらの質問も忘れずに、いずれこたえていただきたいですね。

さて、lovelovedogさんのブログ内の過去の記事に、下記のようなものも見つけました。

http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20070606/revisionism

http://s03.megalodon.jp/2008-0329-0807-40/d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20070606/revisionism(魚拓)

 revisionismってのは、ホロコーストに対する歴史的見解の見直し(ホロコーストはなかった、あるいは、間違っていなかった)に関する主張だと、ぼくは認識してたんですが

 (赤字はおさかなです)

 なんじゃそりゃ。今回の掲示板では「意味なんてないでしょう」ってずいぶんいっていたのに。この後認識が変化したのかな? また何か僕が思いつかないような理由を述べるのだろうか? ややこしいな。

 さて、自分でも歴史修正主義について勉強しようと、「歴史/修正主義」(高橋哲哉、岩波書店2000)、「歴史における『修正主義』」(歴史学研究会編、青木書店2000)をお買い上げ。キーワード編集に僕が力になれるとはいまのところ思っていませんが、まあ、勉強は大事。がんばるです。

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2008年3月25日 (火)

歴史修正主義の定義についての議論に参加

このコメント

http://anemonefish.cocolog-nifty.com/osakana/2008/03/1_d95f.html#comment-23359869

はてなりんぐ「歴史修正主義に反対します」の皆さんにコメントしています。
はてなキーワードに対して歴史修正主義者から攻撃がされています。是非幣ブログの事情を読んでご協力ください。
http://d.hatena.ne.jp/abesinzou/20080322
また議論に参加ください。
http://norevisionism.g.hatena.ne.jp/bbs/2
この歴史修正主義者である「有名人」はhttp://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%D9%C5%C4%B6%D1?
実はその出版物で数10万人に影響をおよぼしていると思うと非常に悲しくなります。

にこたえて、

D_Amonさんがつくってくれた掲示板「歴史修正主義の定義について」の議論に参加。

http://norevisionism.g.hatena.ne.jp/bbs/2/

ただ、ここではてなキーワードをいろいろいじっているというlovelovedogさんのコメントを見ても、いったい歴史修正主義という言葉の定義をどう思っているのかよくわからない。

『歴史修正主義の定義について』という掲示板なのに・・・。

そこで、下記コメントをしました。

http://norevisionism.g.hatena.ne.jp/bbs/2/37

lovelovedogさんのコメントをいくら読んでも、歴史修正主義という言葉がどのような意味を持つ言葉だと思っているのか、この掲示板を読む限りほとんどわかりません。私見で結構ですから、あなたが考える概括的な、歴史修正主義という言葉の意味をお聞かせください。歴史修正主義という言葉に対する定義(私見)をお持ちですよね?

そうでないと、

>とされるが、ある特定の歴史家歴史観に対して否定的な印象を広く一般に植え付けるためのレッテルとして用いられるという指摘もある。また、単純に主流派の学説を批判するものは歴史修正主義者、それに対して反論する主流派を反歴史修正主義者と呼ぶ事も出来るが、実際には反対の例も在るため一様ではない。通常、歴史家は自らのモデルを歴史修正主義と呼称するのは希である。

とする部分をなぜ「比較的中立」だと判断できるのか、わかりません。歴史修正主義という言葉の定義やどのような文脈で使われる言葉だと認識しているのか、開示してください。

どうなるやら。まあ、できる範囲で。

【23:20追記】

上記コメントにこんな返事が来た。

http://norevisionism.g.hatena.ne.jp/bbs/2/39

まぁぼくの正直な考えを言うと、歴史についてあまり深く考えることはしないでおこう、と考える、どちらかというと左寄りの人が、過去の歴史について何か言っている人に対する様式化された悪口語なんじゃないかと思ってます。昔だと「トロツキスト」とか「修正主義者」だとか、左翼系(新左翼系)の人が使ってたんですよ、そういう「様式化された悪口語」を。

とはいえ、歴史的資料の一部しか示さないで「ほらほらあんたらの歴史観はこんなに間違ってたんだよ」という、プロパガンダ右翼の、歴史修正主義トンデモぶりにも日々驚かされるわけなので、悪口語として使われても仕方のないところがあるかもなぁ、とも思っています。

 いや、そんな浅いことを聞いてるんじゃないんだけど・・・。これへのコメントはまた明日以降考えよう。

【3月26日追記】

僕は、前日のlovelovedogさんの回答が不満で、次のように聞いた。

lovelovedogさん。私は二つのことをうかがいました。「歴史修正主義」という言葉の①定義(意味)と、②この言葉の使われ方です。

ご返事を拝見しても、使われ方はわかりますが、定義(意味)がわかりません。「悪口語」ということですが、それが悪口になるのは、その言葉に意味があるからです。

たとえば悪口の代表格=「馬鹿」という言葉は、頭が悪い、鈍いとか、常識から逸脱している、思慮が足りない、などの意味がある言葉です。そういう意味があるがゆえに、悪口になりえるわけです。

再度聞きます。使い方ではなく、歴史修正主義という言葉の定義(意味)を私見で結構ですので、お答え下さい。

すると、次のような返事が来た。

意味なんてないんじゃないですかね。単なる悪口語罵倒語ですから。「おまえの母ちゃんでべそ」「マザーファッカー」みたいなもので。

 「おまえの母のヘソは出っ張っている」という程度の意味があるとしたら「歴史について少し変わったことを言ってみている人」でしょうか。

いや、例示してきた悪口のいずれも、意味ありますけど。大丈夫かな、この人。

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2007年12月24日 (月)

EU「慰安婦」決議、「日本たたきではない」

碧猫さんのここ

http://azuryblue.blog72.fc2.com/blog-entry-335.html#comment3047

経由で知った。

英議員が

「欧州議会の慰安婦決議は、日本への大きな期待を反映する」「日本たたきではない」

といっています。

http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200712210652205

まだ全部熟読してないけど。参考までに。メモのかわり。(下は魚拓)

http://s04.megalodon.jp/2007-1224-2024-42/www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200712210652205

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2007年12月20日 (木)

次は南京事件非難決議??

http://www.chosunonline.com/article/20070806000043

上記URL参照。

朝鮮日報。ちょっと昔の記事だけど、マイク・ホンダ氏へのインタビューにこんな文言が。

-1937年の日本による南京大虐殺についても、日本政府の公式謝罪を要求する決議案を推進する予定は?

 「南京虐殺についても取り上げようと考えている。(しばらく考えた後で)今、その問題について言及するのは時期尚早だ」

え? いずれとりあげたいなってことなの?? いずれ非難決議が? マジ? マジ、マジ?

めまいがしてきたよ・・・。僕は戦争責任否定派ではないし、南京事件はなかったなんていわないけど、やっぱり日本人としては何だか嫌な気分がするね。別にマイク・ホンダ議員が悪いとは思わないけど。日本の権力に歴史修正主義者が多数いるのがいかんのだよ。でも、嫌な気分がする。俺も立派な日本人だな(苦笑)。

・・・やはり日本人が歴史認識の問題でけりをつけないとどうしようもないな。少なくとも歴史修正主義者を政界から追い出すことが必要だ。・・・いつのことやら。

何とかしないとな。

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「厚生省薬務局分室」ミドリ十字

薬害肝炎の問題で、DAYS JAPAN 1月号が大きな記事を載せている。

「まだ間に合うのなら⑨ 薬害の源流 薬害C型肝炎の原告団と加害者 写真・文/広川隆一」(←編集長です)という記事だ。

(↓DAYS JAPAN ホームページです)

http://www.daysjapan.net/

この中で、次のような箇所があるので紹介する。

---薬害肝炎の原因は、輸血や止血の際に投与される血液製剤でした。これは薬害エイズも同様です---(32ページ)

---汚染された血液製剤が多く輸入された一番危険な時期は84年~85年頃です。この頃のミドリ十字の社長、松下廉蔵氏は厚生省の薬務局長だった人物です。彼の部下も次々に天下りました。そのためミドリ十字は「厚生省薬務局分室」と揶揄されていました---(32-33ページ)

ミドリ十字といえば、旧731部隊の内藤良一氏など、731部隊関係者らが中心となって設立した日本ブラッドバンクが前身。

---その厚生省から天下ったミドリ十字社長の松下氏と、ミドリ十字から献金を受けていた安部氏(※おさかな注=安部英氏。帝京大学医学部長、厚労省委託のエイズ研究班班長だった)。薬害問題を読み解いていくと、ミドリ十字を軸とした構図がはっきりと見えてきます。薬害が起こらないわけはなかったのです---(33ページ)

戦中、人体実験をおこなった731部隊の「人命軽視」が、現在の日本にも脈々と受け継がれてしまった典型。しかも、国と癒着しまくりなのか…。731部隊にも触れ、人体実験をおこなった医学者らが、「戦犯として裁かれることなく、華々しい活躍を見せることに」(35ページ)なったことを紹介している。

731部隊と、ミドリ十字(現・田辺三菱製薬)、そして天下った厚労省の役人が社長に就任するなど、わかりやすく解説しているので、初心者にはおすすめ(おさかなも初心者ですけど)。

こんなに癒着しまくりじゃ、肝炎問題で真相究明などできようもない。だからといってあきらめるわけにはいかない。かかっているのは、われわれ国民の健康、命、人生、幸福、将来なのだから。 

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2007年12月19日 (水)

EU「慰安婦」決議を受けて

http://ianhu.g.hatena.ne.jp/kmiura/20071214/1197581267

今月、EU議会で採択された「慰安婦」問題に関する決議の和訳が載ってます。

和訳できる人っていいなあ。うらやましい。

ところで、「慰安婦」問題でがんばっている前参議院議員の吉川春子さんの話を聞く機会があった。吉川さんは、「慰安婦」決議が国連でも採択しようという動きもあるといっていた。本当かな? 僕の空耳? いずれにせよ、日本は「慰安婦」問題では自ら解決するのでなく、つねに外圧で動いてきたことを吉川さんは嘆いていた。

「慰安婦」問題でも、たしかに日本は関与を当初否定した。それに怒った元「慰安婦」キムハクスンさんが日本で裁判を起こし、問題になったのが、「慰安婦」が日本において取り沙汰されるようになったきっかけだった。これがその後の河野談話や女性基金となった。

そしてことし、歴史修正主義者が騒いだおかげもあり、米下院決議採択が実現。EU決議にもつながった気がする。ことしという一年を振り返ると、歴史修正主義者は大活躍だったな(笑)。立派に国際社会に「貢献」した。おめでたう。

・・・冗談はさておき、吉川さんは、つぎのようなことも指摘していた。つまり、日本兵は「慰安」所を利用していたのに、ずっとそのことをいってこなかったことだ。

たしかに「慰安婦」の存在は、秘密でもなかったのに、でも終戦後、積極的に加害として認識されず、あるいはまったくその体験は語られず、日本兵経験者の多くは沈黙をしてきたのだ。そのことを考えると、何だか妙な気持ちになる。

僕は親も戦後世代。僕はいってみれば「二重の戦後」世代で、くわえて核家族でもあったこともあって、ずいぶんと戦前の日本兵の「罪行」には突き放した目で見てきた。「罪をはたらいたのは、あなたたちの世代にすぎず、僕じゃない」という気持ちで見てきた部分がないといたらウソになる。でも、ほとんど語られることはなくても、いまでも「慰安」所利用者は日本に何人もいるのだ。ひょっとしたら街中ですれちがったじいさんが、元「利用者」かもしれない。突き放す以前に、自分のまわりにたくさん経験者がいるかもしれないのだ。突き放しようがないくらい、身近にいるのかもしれない・・・いったい日本ってどういう社会なんだ。複雑な気持ちだ。

でも僕は、いってみれば日本の「恥」ともいえる「慰安婦」問題と向き合うことは、大事だと思う。ユーゴ内戦、ルワンダなどでの強姦の多発などを見ても、女性の人格を否定し、もてあそび、モノとして扱い、ときに殺害したり遺棄したりする行為を、世界から消すよう努力することは必要だ。

日本もいいかげん、隠すのではなく、総括し、二度とこんなことがおこらないように努力します、といったほうが、国際社会において「誇り」ある地位を占めることができると思うんだけどねえ。恥に対して、恥を隠さずに明らかにして乗り越えることで、「誇り」を得られるという逆説。

とにもかくにも、日本人は91年以来、この15年以上、何をやってきたんだ?・・・といいつつ、僕もこの問題に関心をもったのは、一年半前です。すんません。

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2007年12月18日 (火)

南京事件国際シンポに参加して

シンポに参加した。

http://d.hatena.ne.jp/December2007/

研究者の方にご挨拶もできたし、あらたにお知り合い?もできて、よかった。体力に余力があれば、もう少し話などしたかったが。

さて。南京事件シンポでは、

南京事件で日本兵は加害者だけではなく、被害者の側面があったこと、戦後も、その加害の事実を吐露することができず、苦しんだ人も少なくなかったこと。

中国の国民も、毛沢東の政策のもとで(悪いのは支配層であり、人民は悪くないというとらえ方)のもとで、被害を告発することが抑圧される側面があったこと。

現代にもつながる話として、いかに過去の戦争犯罪を語るか。

普通のやさしい兄弟、父、息子が戦争犯罪を働いてしまった、その背景。

侵略戦争をささえた、多数の国民の存在。

など、いろいろ考えさせられた。

余力、暇があれば、後日南京事件国際シンポの感想をアップしたい。

実行委員会のみなさま。お疲れ様です。

歴史修正主義に負けるわけにはいかんのだよ。

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2007年12月13日 (木)

南京事件から70年です

70年前の今日、旧日本軍が南京を占領した。このときに起きた虐殺、強姦、暴行、略奪などを総称して南京事件という。

南京事件から70年たった今日でも、「大虐殺」(※)と呼べるものはなかったなどの主張が一部に横行している。この種の主張が日本政府中枢に根強いこと、さらには一般国民の若い層にも広がっていることを僕は憂える。

同時に、広範な「中立」「無関心」層の存在をも僕は憂える。南京事件での非人道的行為の存在を認める立場を「自虐史観」呼ばわりする人々がいるが、この種の妄言が大手を振っていられるのも、われわれ国民がそれを許しているのだ。主体的であれ、無意識であれ。

この種の「中立」「無関心」は、今日でもアフガン、イラクへの米軍占領・攻撃に日本が手下となって協力している事実を忘却、隠蔽する役割を果たしてはいないか。罪のない人が殺された事実。必要のない死を与えられ、人生を奪われた人々。身体に、心に一生いえない深い傷を負わされた人々。これらの不可逆的な被害、傷を負わせたことに対して無関心、中立であることは、僕にはできない。しかも70年前の南京事件だって、その被害者や遺族の一部は、いまもなお生きていて、苦しんでいる人も少なくないのだ。

「事実かどうかわからない」だけならまだしも「事実でもウソでもどっちでもいい」という気分が少なくない日本人のなかにある。どっちでもいいわけないじゃないか。「そんなことだから、この世界から戦争はなくならないのだ」と僕などは思ってしまう。「事実でもウソでもどうでもいい」ということは、「人が死のうが何しようが、そんなのはどうでもいい」といっていることと同じだ。もし仮に、自分の家族や自分自身が死んでも傷ついても、手足を失ってもどっちでもいいのか? 過去のことだからもういい、水に流そうって思えるのか? どっちでもいいのではない。「ない」なら「ない」、「ある」のなら「ある」。事実だったかどうかは、一人ひとりの日本人が、はっきりさせなければならない。

どこまで戦後補償をおこなえばいいのかという問題にまで深入りするのはたいへんでも、かつての日本がおこなった戦争がどのような戦争だったのか、どのような被害をもたらしたのかという事実をつかもうと努力する人が、もっとふえてほしいな、と思う。猛勉強しろというのではない。少なくとも「南京事件などなかった」などの種の議論にまどわされない程度には過去の事実と向き合ってほしい。

・・・と思うこのごろ。

というわけで、再度企画案内。下記のようなシンポジウムあります。ヘビーでハードな日程ですが・・・。詳しくは

http://d.hatena.ne.jp/December2007/

(※ 僕は南京事件は虐殺だけではないこと、どこまでが「大」なのかを争うつもりはないので、「南京大虐殺」という呼称は通常使用していない)

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主催

南京事件70周年国際シンポジウム実行委員会

明治大学軍縮平和研究所

テーマ

「過去と向き合い、東アジアの和解と平和を」

日時

2007年12月15日(土)~16日(日)

会場

明治大学駿河台校舎・リバティタワー

参加協力券

 一般:2日間 2500円、大学生・高校生:1500円

 当日:一般 1日日1500円、2日目1500円

    学生 1日目1000円、2日目1000円

15日(土)  10時開会

会場:明治大学駿河台校舎・リバティタワー6階 1068号教室

開会挨拶 福田邦夫(明治大学軍縮平和研究所長)


記念講演 10:15-12:00 マーク・セルデンさん(コーネル大学教授)


●パネル1 

テーマ「戦争被害・加害の事実と和解」

13:15-15:15

 第一部:映像「向き合う強制連行の被害者と加害者(仮題)」                        

        加害証言 小山一郎、被害証言 中国人 (山東省)

 第二部:報告「判決で戦争被害・加害はどう認定されたか」 

        中国人戦争被害者賠償請求弁護団

 第三部 :パネルディスカッション「最高裁判決と解決の道」

        パネリスト: 井上久士(駿河台大学)

               小山一郎(元中帰連・元日本軍兵士) 

               聶莉莉 (東京女子大学) 

               南典男(弁護士)

     コーディネーター:山田勝彦(中国人戦争被害者賠償請求弁護団)


パネル2テーマ 「なぜ南京大虐殺が起きたのか」

15:45-17:15

対談 吉田裕(一橋大学)

   能川元一(南京事件70周年国際シンポジウム実行委員会) 

   コーディネーター:山北宏 (南京事件70周年国際シンポジウム実行委員会)

16日(日) 9時30分開会

会場 明治大学駿河台校舎・リバティタワー1階 1011号教室

●パネル3

テーマ「東アジアにおける戦争の裁きの再検討」

9:30-13:00

 映像:『人道的寛待』

 報告:程凱 (中国社会科学院副研究員)

     「二つの戦後と改造問題」

 証言:高橋哲郎(元中帰連) 

     「戦犯管理所の経験」

 コメンテーター:丸川哲史(明治大学)

 司会:鈴木将久(明治大学)



●パネル4

テーマ 「ヨーロッパでは戦争責任をどう議論しているか」

14:15-15:45

 報告:川喜田敦子(東京大学)

     「現代ヨーロッパの歴史認識問題と教科書対話」

 報告:ジャン・ルイ・マルゴラン(プロヴァンス大学)

     「フランスの南京事件研究」

 コメンテーター:スヴェン・サーラ(東京大学)

 司会:石田 勇治(東京大学)



●総括ディスカッション

テーマ 「東アジアの和解と平和のために」

16:15-17:45

討論:荒井信一(駿河台大学名誉教授)

   尾山宏(弁護士・南京事件70周年国際シンポジウム実行委員会代表)

   徐勝(立命館大学)

   笠原十九司(都留文化大学)

閉会挨拶 尾山宏(実行委員会代表) 

終了  18:00

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